新NISAは“ただの貯金箱”に見えて、実は国家レベルの神ナッジだった!?

 

 
 
 

はじめに

「貯蓄から投資へ」——このスローガン、実は2001年から掲げられている。
当時、日本の家計金融資産は約1,500兆円。そのうち現金・預金が55%、株式などリスク資産はたったの12%。
さらに2025年3月末時点では家計の金融資産残高は2195兆円に達している。

要するに、日本人は世界でも屈指の「現金ラバー」なのだ

金融教育が足りないからだ、制度が複雑だからだ、
などいろいろ言われているが、本質はシンプルで、日本人は本質的に損するのが嫌い
リスクを取って増やすことより、減らない安心感を重視する。
そんな国民性を、鮮やかにひっくり返したのが新NISAだ。


タンス預金から投資信託へ

旧NISAは正直インパクト不足だったが、新NISAは違う。
「年間360万、一人最大1800万円まで非課税」という大盤振る舞いに、慎重派の心が一気に揺れ動いた。
国は財政難といいながら、なぜ国民に経済的メリットの大きな政策を打ち出したのか、裏があるに違いない、と不審に思う人もいるだろう。

でも、よく考えると財務省は大して損をしていない。

そもそもNISAで投資に回ったお金の多くは、定期預金やタンスに眠っていた資産。
もともと相続されるまで課税される予定すらなかったお金だ。
国民目線では減税っぽく見えるけど、実は税収は一円も減らない。
むしろ企業にお金が流れ、国民の資産が増えれば、法人税や消費税としてまわりまわって回収できる。
つまりNISAという新しい貯金箱を置いただけで、

  • 国民は非課税メリットを最大限生かして資産形成ができる

  • 国は税収を減らさずに市場に資金を供給できる

  • 企業は株価が上がり資金調達が楽になる

一石三鳥の施策なのである。近江商人もびっくりの設計だ。


もう一人、喜んでいるのは…

そう、アメリカである。
NISAで爆売れしているのはS&P500やオルカン(全世界株ファンド)。
つまり私たちはいつのまにかアメリカ株にどっぷり投資している
もし政府が「アメリカに100兆円投資します!」なんて発表したら、国会は大炎上する。
でもNISAを通すとどうだろう。誰も怒らない。むしろ「非課税でありがとう!」と感謝されながら、アメリカに資金が流れていく。
もちろん私はこの狙いが本当にあったのかどうかなんて知らない。
けれど、安倍さんとトランプさんの握手の裏で「NISAで日本マネーをよろしく」なんてやり取りがあったのかもと妄想すると、思わず「うまいなぁ」と膝を叩きたくなる。


投資じゃなくて「利率のいい貯金」

面白いのは、多くの人がNISAを「投資」と思っていないことだ。
ほとんどの人が投資信託をコツコツ積み立てているので、感覚的には「ちょっと利率のいい非課税の貯金箱」。
だからこそ投資嫌いの日本人にも広がった。
開始からまだ2年足らずで、NISA口座はすでに2,500万に迫る勢い。
実質的に「3人に1人が投資家」の時代になった。
…いや正確には「3人に1人が貯金箱の中身を株にしている」時代、か。


NISAは入口

NISAを埋め終わった人はどうするか?
子供の口座に資金を移すかもしれないし、特定口座で投資を続けるかもしれない。
でも一度、複利のうまみを知った人が、利率0.01%の定期預金に戻るとは考えにくい。
こうして「貯蓄から投資へ」という長年のスローガンは、新NISAという貯金箱のおかげであっさり実現してしまった。


結果的に天才的としかいいようがない制度

非課税に釣られて国民は投資を始め、
日本企業にもアメリカにも資金が流れ、
国は年金財政の見通しが少し明るくなり、税収も減らない。
誰も損していない。

結果的に、新NISAはWin-WinどころかトリプルWinの政策となったのだ。

偶然か、計算かはわからない。
でもこれだけは言える。
NISAを考えた人は、やっぱり天才だ。
(投資にはリスクがあります。自己責任でお願いします)

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