なぜ私は子供の名前のパスポート表記を非ヘボンにしたのか
私はそもそも強いこだわりがあって子供のパスポート名を非ヘボンにしたわけではありません。
むしろ完全に私のミス、というか手違い、通常の手順で申請していれば、間違いなく窓口の人に言われるがまま、ヘボン式で申請していたと思います。
三男の名前の音は「そうや」です。
実は、初めて三男を海外旅行に連れて行った際、パスポートを申請する前に航空券を発券したのですが、
その時ほとんど何も考えずに搭乗者名を「SOUYA」とつづってしまいました。
その時、私はエクスペディアで航空券を購入したのですが、同時に1か所、旅行代理店にも見積もりをお願いしていました。
その時の担当者の方が、メールで「SOUYAは非ヘボン式で一般的な綴りではないが、入力間違えではないですか?搭乗者名は後から変更できないのでもう一度ご確認ください」と聞いてくれたのです。
そこで初めて、「SOUYA」が非ヘボン式で、パスポート申請では例外的にしか認められない表記法だということを気づいたのでした。
げげげ、でも、もう航空券とっちゃったよ。後から名前、変更できないんだよね?
っていうか、ヘボン式では「SOYA」っていうけど、これじゃ「ソヤ」って読んじゃうよ。ヘボン式のほうが不自然じゃない?
とかなんとか、頭の中は大パニックです。
とりあえず、パスポートの申請窓口に行って事情を話してみることにしました。
小学校のおさらい。ヘボン式ローマ字って?
あ |
A |
い |
I |
う |
U |
え |
E |
お |
O |
か |
KA |
き |
KI |
く |
KU |
け |
KE |
こ |
KO |
さ |
SA |
し |
SHI |
す |
SU |
せ |
SE |
そ |
SO |
た |
TA |
ち |
CHI |
つ |
TSU |
て |
TE |
と |
TO |
な |
NA |
に |
NI |
ぬ |
NU |
ね |
NE |
の |
NO |
は |
HA |
ひ |
HI |
ふ |
FU |
へ |
HE |
ほ |
HO |
ま |
MA |
み |
MI |
む |
MU |
め |
ME |
も |
MO |
や |
YA |
|
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ゆ |
YU |
|
|
よ |
YO |
ら |
RA |
り |
RI |
る |
RU |
れ |
RE |
ろ |
RO |
わ |
WA |
ゐ |
I |
|
|
ゑ |
E |
を |
|
が |
GA |
ぎ |
GI |
ぐ |
GU |
げ |
GE |
ご |
GO |
ざ |
ZA |
じ |
JI |
ず |
ZU |
ぜ |
ZE |
ぞ |
ZO |
だ |
DA |
ぢ |
JI |
づ |
ZU |
で |
DE |
ど |
DO |
ば |
BA |
び |
BI |
ぶ |
BU |
べ |
BE |
ぼ |
BO |
ぱ |
PA |
ぴ |
PI |
ぷ |
PU |
ぺ |
PE |
ぽ |
PO |
あまり疑問に思わず使ってたけど、は行で「ふ」だけFとか、ざ行で「じ」だけJとか、結構ややこしいんですね。
基本はこの表にしたがってローマ字表記に変換していきますが、次のような点に注意する必要があります。
表記の際の注意事項
・撥音(はつおん)「ん」:Nと表記。B、M、Pの前の「ん」は、NではなくMで表記する。
・促音(そくおん)「っ」:子音を重ねて表記。ただし、チ(CHI)、チャ(CHA)、チュ(CHU)、チョ(CHO)音の前には「T」を表記する
・長音:OやUは記入しない。
長音は記入しないんですね!
非ヘボンが認められるのはこんなとき
実際にパスポート発行業務を行っている機関のサイトを見てみると、次のような場合には非ヘボン式表記が認められるとあります。
外国人との婚姻、両親のいずれかが外国人、又は外国との二重国籍等により、戸籍上の氏名が外国式にカタカナで記載されている場合、又は戸籍上の氏名が漢字で記載されていてもヨミカタが外国式の場合には、旅券の氏名をヘボン式ローマ字ではなく、外国式の綴りで表記することができます。
戸籍姓 ピーターソン PETERSON
金(キム) KIM
戸籍名 ジェームス JAMES
情和(ジョンワ) JEONG-HWA上記以外で、ヘボン式によらないローマ字氏名表記(長音H・O・Uの挿入やRに代えてLの使用等)を希望する場合には、あらかじめ電話案内センター又は各旅券窓口にご相談ください。
ヘボン式によらないローマ字氏名表記での申請にあたっては、申請書(裏)の「旅券面の氏名表記」欄に希望する綴りを記入し、その綴りが実際に使用されていることを示す書類等(出生証明書、婚姻証明書又は配偶者や父母の外国旅券等)とともに提出してください。
旅券と航空券等の氏名の綴りが1文字でも異なっていると航空機等への搭乗が認められないので、ヘボン式によらないローマ字氏名表記を申し出る際には十分ご注意ください。また、姓をヘボン式によらないローマ字で表記する場合には、ご家族で綴りが異なることがないよう、あらかじめご確認の上、申し出てください。
一度登録した旅券の氏名表記は変更できません。
なんか、結構厳しい口調で書かれている…と感じてしまうのは私だけでしょうか?
調べれば調べるほど、とんでもないことをやらかしてしまった感がますます増大してしまいます。
非ヘボン表記の申請書を窓口に持っていったらどうなったか
本当は事前に非ヘボン式で申請したい旨を電話連絡しなくてはいけなかったようですが、よく調べていなかったので、直接窓口に行った私。
子供のパスポート表記を非ヘボンにしたという方のブログなどを見ると、皆さん申請窓口で職員の方と多かれ少なかれひと悶着あったようなことが書かれていました、
私の住んでいる自治体では(あるいは単に物わかりのいい職員さんが対応してくれたか)
「生涯、この表記になりますけどいいですか?」
と聞かれただけで、とてもあっさり受理されてしまいました。
(表記よりも、用意した写真の顔が丸すぎて枠に収まらないかも…と言われ、何度も写真を定規で測っては首をかしげていました)
ちょっと拍子抜けしましたが、非ヘボン式が認められるようになってしばらく経っているので、申請ケースが増えて窓口の方も慣れてきているのかも…?
何はともあれ、航空券と同じ表記のパスポートが取得できることになって一安心です。
パスポート表記を非ヘボンにすることのデメリット
すでに何度か実際に非ヘボン式のパスポートを使っていますが、普段使う分には特にデメリットに感じていることはありません。
出入国の手続きで止められるようなことももちろんありません。
唯一、デメリットとして考えられるのは、子供が将来大きくなって、非ヘボンのパスポートなんて嫌だ!なんて言い出しても、簡単には氏名表記は変更できないことでしょうか
ただし、パスポートを一度取得された後のローマ字氏名表記の変更については、日本及び渡航先における出入国管理上の問題となり得る懸念があることや、国による旅券管理上の困難さ等から、特に必要と認める場合を除き認められませんのでご注意ください。)。
ただこれも、一度失効した後、異なる表記で申請しなおしたといわれている方もいますので、絶対一生この表記!というわけではなさそうです。
あとは、将来クレジットカードなどを発行するとき、ローマ字表記をどうするか(パスポートと統一しておいたほうがよさそう)等、少し注意しておいたほうがよさそうなこともあります。
余談ですが、この顛末を恩師(数年、アメリカに住んでいたことがあり、ネイティブばりに英語がペラペラな方)に話したところ、「ルールは知らないけど、表記としてはSOUYAのほうが絶対に自然」と言ってもらったので、私のもやもやはすっかり晴れたのでした。
これからお子さんのパスポートを取得する際、非ヘボンにするか迷っている方の参考になればと思い書いてみました。